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妻夫木聡
俳優
魂のこもった皆さんの芝居に心揺さぶられた。
情熱だけではどうにもならない現実。
使命感、責任感、自分の存在意義、色々な思いが錯綜するなか、
お前はどう生きるんだ?と最後につきつけられた。
現代を生きる僕たちが必ず観るべき作品です。
最後の最後まで目を背けず向き合ってもらいたい。
土屋太鳳
俳優
思いを伝えるはずの「声」、事実を伝えるはずの「報道」。
そのどちらも人の心から生まれていて、
生み出す人たちの心が歪めば、
こんなにもたやすく歪んでしまう。
でも同時に「その歪みに立ち向かうのも人の心なのだ」と、
胸の奥に小さな希望が灯るのを感じました。
この作品は時代を超えて、
アナウンサーたちと共に闘い続けるために…
もしかしたら、もう始まっているかもしれない何かを止めるために…
産声をあげようとしているのかもしれません。
凛とした映像に包まれたこの覚悟が、
ひとりでも多くの人に届いてほしい。
そして共有し続けたいと、心から願います。
宮藤官九郎
脚本・演出家
即時描写の場面、本当に素晴らしかった。
森田剛さん、橋本愛さんら俳優陣の「声」に、
ここまで耳を持って行かれる映像作品を初めて観た気がします。
その「声」が、放送技術の発展が、
国威発揚に利用されてしまった。
同じようなことが、今も世界のどこかで起こっていることを見過ごしちゃいけませんね。
僕は『いだてん』で一度、完全に燃え尽きましたが、
演出の一木さんはその後もメラメラと燃え続け、
さらに「アナウンサー」と「戦争」を、深く掘り下げたんだなぁ。
頭がさがります。
大友啓史
映画監督
言葉は諸刃の剣だ。
この映画で描かれる”言葉を生業(なりわい)にする者たち”の葛藤と反芻は、
センセーショナルな言葉だけが拡散されていく現代のSNS社会にこそ、
より必要なものであるだろう。
「龍馬伝」「スパイの妻」等の撮影、
佐々木達之介のエモーショナルなショットの数々に目を見張る。
塚本晋也
映画監督
報道とは何か。熱狂とは何か。報道が戦意を煽り、戦争に加担してしまう。
民衆が熱狂し便乗する。
これは、過去のことではない。今現在起こりつつあること。
そう思って映画に、現実に目を凝らさなければならない。
笠井信輔
アナウンサー
戦時中に武器を持たない兵士がいた。
電波戦士=NHKアナウンサー。
「偽りの言葉」に扇動された国民が死んでゆくという事実に同業者として凍り付いた。
昔話ではない!それは「フェイクニュース」という形で今も続いているのだ。
大橋未歩
フリーアナウンサー
放送人の端くれとして自戒をこめて言う。
「不都合な真実の隠蔽は終わっていない」
だから私たちにこの映画は必要なのだ。
誰もがメディアとなれる現代なら尚のこと、
正しさを自問し続ける苦悩から逃げてはならない。
柳澤秀夫
ジャーナリスト
戦争という理不尽な大きなうねりに争うこと。
それが如何に難しいことなのか!
ならばどうすればいいのか?
問われているのは過去だけではない。
混迷を深める今の時代に生きる我々自身ではないのか?
そんな問いを容赦なく鋭く突き付けてくる、
まさに心をえぐる作品だ。
松崎健夫
映画評論家
軍事を礼賛するようなプロパガンダに便乗し、
勇ましい言葉で戦意を煽った人々の多くは、
戦後になって「最初から間違いだとわかっていた」と居直った。
昨今の世情でも、SNSを中心に“極端な言葉で断言する、
声の大きな人”に大衆が魅せられているという危うさがある。
本作は戦時中を描いた作品だが、
現代に通じる思潮を感じさせるのはそのためだろう。
表層的な印象に依りがちであるからこそ、
大衆に向けた<声>は熟慮すべきなのである。
徳光和夫
フリーアナウンサー
“和田信賢アナに究極の自然体を知る“
「物事を正しく日本語で読んで伝える」
これはアナウンサーの座標軸です。
しかし戦時下、正しくない事を日本語で正しく伝えねばならなかった。
和田氏を始めとするNHK先輩アナ諸兄、
今時の末端アナの一人として、胸が痛みます。
そんな状況下で、孤軍に近い形で戦っていた和田信賢アナ
(個人的には、私、相撲中継が大好きでした!)は
正に究極の自然体を貫いた。それを物語を通して感じました。
自然体には反骨魂が不可欠です。
降りしきる雨の中での学徒出陣実況はアナウンス史上に絶対、
残しておかねばならないマイクなき絶叫の実況です。
多々、アナウンサーとして初めて勉強になる物語でした。
そして、和田信賢役に反骨心のある役者、森田剛、
これしかないというキャスティング見事でありました。
パパイヤ鈴木
ダンサー・振付師・俳優
僕は戦争の事をほとんど知らない。
目から入ってくる情報は何となく
作られた物のような気がするからだ。
この映画は言葉の強さを全面に出している。
わかる気がする。
当時はラジオのみが情報源だからだ。
言葉の重み、アナウンサーの声から伝わってくる真実。
こういう切り口の映画は初めてだった。
面白い!
砂川浩慶
社会学部長・教授 放送研究会教員部長
公共の放送とは、国家のためか、国民のためか。
今に続く、放送の役割の問いかけ。
「虫眼鏡で調べて望遠鏡でしゃべる」。
アジテーターではなく、
アナウンサーの真の姿を追い求める場面に涙を禁じ得ない。
松山秀明
関西大学社会学部准教授
日本放送協会の負の歴史として終わらせてはいけない。
マス・コミュニケーションの電波戦は、
いま姿形を変え、SNSの情報戦になっている。
文字と声の凶器に震えた和田信賢の葛藤に、
学ぶべきことは多い。
鈴木秀美
慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所教授、大阪大学名誉教授
戦争にプロパガンダ(政治宣伝)はつきもので、
当時、最新でかつ効果的なメディアはラジオだった。
この作品は、テレビも、インターネットもなかった時代、
国家が戦争のために真実を隠し、偽情報を流布することを命じ、
それに翻弄されるアナウンサーたちの姿をリアルに描く。
国家が本気で嘘をつこうとするとき、それに抵抗するのがどんなに困難なことか。
それは戦後も変わらないことを忘れないでほしい。
順不同/敬称略
予告編
本編映像
情熱だけではどうにもならない現実。
使命感、責任感、自分の存在意義、色々な思いが錯綜するなか、
お前はどう生きるんだ?と最後につきつけられた。
現代を生きる僕たちが必ず観るべき作品です。
最後の最後まで目を背けず向き合ってもらいたい。